
協同組織金融機関の歴史は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、欧米の農村地域で生まれた協同組織運動に端を発しています。この運動は、農村の経済的困窮を解消するために、農民たちが自己責任で協同して生産・販売を行い、資金を集めるというものでした。
この運動は、ドイツのライファイゼン貸付組合創設をきっかけに広がり、その後、欧米を中心に協同組織金融機関が設立されるようになりました。協同組織金融機関は、貧困層や農村地域の住民など、従来の金融機関からは借りられない人々に対して、融資や預金業務を提供することで、経済的自立を支援していました。
日本においては、協同組織金融機関の先駆けとなる「信用組合」が戦前に、そして戦後の混乱期にあたる1951年に信用金庫法が制定され、信用組合から信用金庫が独立しました。信用組合、信用金庫は、地域住民などが組合員・会員となり自主的に運営する金融機関であり、小口融資や預金業務などを行っています。
その後、日本においても協同組織金融機関は発展を続け、農協や漁協、労働者協同組合など、様々な種類の協同組織が設立されました。現在では、協同組織金融機関は、地域の中小企業や農家、個人などに対して資金を提供するとともに、地域経済の活性化に貢献しています。また、社会的責任を果たすため、地域貢献活動や環境保全活動などにも取り組んでいます。